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経験者が語る、居酒屋の店長の仕事ってどんな仕事?

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就職や転職を考えている方の中にも飲食業の求人を見ている方は多いと思います 飲食業ってどんな仕事内容なのかな?きついイメージはあるけど実際はどうなんだろ?と悩んでる方いらっしゃるのではないでしょうか? この記事では実際に居酒屋の店長として働いていた方の目線で”居酒屋の店長職”をご紹介します。

居酒屋店長の仕事内容とは

居酒屋の店長の仕事内容

では、まずは仕事内容から見ていきましょう。
店長の仕事は幅広くあります。 代表的な仕事内容としては、以下のようなものがあります。

・アルバイトスタッフや社員の教育

アルバイトスタッフに対しては、基本的なドリンクや料理の作り方はもちろん、作業のクオリティやスピードを上げるためにどうすれば良いのか、個人の能力に合わせて指導していきます。 また、接客において商品の知識やお客様との接し方などもとても大切になっていくので、接客している様子を見て、さらなる知識を教えていったり、改善すべきところを伝えていきます。 社員に対してであれば、その社員が今後店長になるために必要な仕事も教えていきます(以下に書いてある仕事内容です)。

・シフト管理

予算や予約数に対してを考慮してシフトを作成します。 私の勤めていた会社では人件費は売り上げに対して約26~29%で収まるように計算していました。人件費は使いすぎても利益が出ませんし、使わなさすぎると営業のクオリティやスピードを下げてしまいます。前年度の売り上げともチェックし、しっかり考えてシフト作成する必要があります。

シフト調整の画像

・店舗の予算の作成、月別、日別の振り分け

毎年3月に、翌年度4月から1年間の年間予算が決まります。それに対してまずは月別で予算を振り分けます。毎月月末になると、翌月の月予算をさらに日別の予算に振り分けていくといった流れです。 日別の予算を明確にすることで、売り上げを追いかけやすくなります。

・お酒や食材、備品等の発注

主に翌日の仕込みや営業内で使うドリンクや食材を発注します。 ドリンクと食材の仕入れは、売り上げに対して約30%が理想とされていて、余剰発注は利益の損失に繋がるので、必要最低限、でも不足が無いように在庫を見て発注します。
備品等は店舗のスタッフが使うものはもちろんのこと、お客様が使うお箸やトイレットペーパー、ハンドソープなど、こちらも必要不可欠な発注です。

・売上や仕入れと人件費(FL)の管理

売り上げに対して、人件費とドリンク・食材の仕入れの合計(専門用語でFLと言います)を約60%に抑えるのが理想とされているので、ここをきちんと日ごろからチェックする必要があります。固定費(家賃や光熱費等)で利益を調整することはほぼ不可能なので、変動させられる数字を管理することが利益を出せるかどうかの鍵になってきます。ここは店長が一番シビアに見ていく必要がある数字です。

・クレーム対応

スタッフが何らかのミスをしてお客様に迷惑をかけてしまった際に、店舗を代表して店長が対応します。店長でなくても社員が対応すれば問題はないですが、お客側の立場から考えても、一番上の立場の人に対応してもらう方が誠意を感じられます。
そして、お客様への対応が終わったら、ミスをしてしまったスタッフとも「なぜミスをしてしまったのか」「同じミスをしないようにするにはどうすれば良いか」を一緒に考え、改善していくことも大切な仕事です。これをしないと、同じクレームばかり受けてしまうことにもなりかねません。
精神的にも辛い内容ですが、店舗やスタッフの成長のためにはグッとこらえてこなしていきます。決して感情的になってはいけません。

以上が店長職のおもな仕事内容です。 もちろんすべてを店長がやらなければいけないという決まりはないですが、基本的には上記の内容は店長の仕事と言ってもいいです。 うまく他の社員にもこれらの仕事を振ることができれば、時間的にも精神的にも、店長の負荷は軽減されます。

居酒屋店長の待遇っていいの?

居酒屋の店長のお給料は?

売り上げでボーナスが大きく変動する

給料に関しては店長になりたての頃(入社2年目)、諸々手当て込みで月収25万ほどでした(ボーナスを除く)。ちなみにボーナスは年に10万の人もいれば、100万以上もらえる人もいて、様々でした(店舗の売り上げや利益に大きく左右されるシステムでした)。
正直にお話ししますと、月収は労働の負荷の割には低めだと感じました。もちろん店長だとその手当がつきますし、店長を長く続けると昇給もあります。しかし結果を出さないとなかなか給料は上がらないのが現状です。 さらに、残業が多かったり、この後紹介していますが思うように休めないこともしばしばあります。

休日、休暇について

休みの日は基本的に金曜日と土曜日、祝前日以外であることが多いです。場合によっては日曜日も学生のアルバイトが集まりにくく、休みづらいこともあります。 社員が多く在籍している店舗では社員の休みを回すことができますが、社員が少ない店舗は、アルバイトが集まらなければ、本来休める日数分の休みを取れないこともあります。 GWや年末年始等の大型連休は、その時期は忙しいので後から連休をもらえる仕組みになっていました。 アルバイトスタッフが体調不良などで休んで、人手が足りなくなってしまった日などは、もともと自分が休みでも出勤することもありました。

居酒屋で得られる知識や経験

居酒屋で学べる知識

知識としては主にお酒のことや料理について学ぶことができます。さらに売上などをきちんと追いかけていくと仕入れと人件費(FL)や利益などの「数字」についても学ぶことができます。経営において「数字」の把握はとても重要です。 また、お客様やスタッフと話す機会が多いので、コミュニケーション能力や周りの状況を把握する力が身に付きます。 一番印象に残っている経験は、お客様から「ありがとう」という言葉を直接いただけることです。お客様は何を目的にご来店されているのか(接待、家族の時間、恋人とのデート、お祝いなど)、つまりバックグラウンドを考えて行動することにより、満足止まりではなく感動を与えることができます。その結果、お客様からの「ありがとう」という言葉をいただけるのです。 オフィスや事務仕事などではない、現場だからこそ経験できる喜びです。まさにこれが居酒屋での「やりがい」です。

辛かったこと、しんどかったこと

居酒屋の店長のしんどい時

上記でお客様から「ありがとう」と言っていただける喜びをお話ししましたが、逆もあります。それが「クレーム対応」です。 店で起こってしまったミスは、たとえ他の社員やアルバイトが起こしてしまったものであっても、最終的には店長の責任になってしまいます。つまりクレームの対応も率先して店長がしなければなりません。 謝罪をして何かしらの対応をして済めば良いのですが、なかなか怒りがおさまらないお客様もいらっしゃいます。そういう場面に当たってしまうと、かなり辛いです。特に年末などの繁忙期にはクレームが増えがちなので、心身共に疲れました。

居酒屋の店長に向いている人ってどんな人?

居酒屋店長に向いてる人

協調性のある人

居酒屋はチームワークが大切なので、協調性はかなり求められます。アルバイトスタッフを多く雇う職種なので、アルバイトスタッフへの気遣いもお店を営業していくうえで大切になってきます。

体力に自信のある人

長時間勤務である上に、休みも不定期(定休日がある居酒屋を除く)です。アルバイトのシフトや当日のお客様の来店状況によってその日の負荷が変わる職業ですので、体力が無いと長期で働くのは大変です。

作業が速い人

作業が苦手であると、同じことをこなすにしても時間がかかってしまいます。そうすると残業などが付き物になってくるので、作業が速い方に向いていると言えます。

話すことが好きな人

お客様やスタッフとのコミュニケーションが不可欠なので、人と話すことが苦手だと苦痛に感じてしまうこともあります。

リーダーシップのある人

店舗全体をまとめていかなければならないので、指導や判断、指示出しにおいてリーダーシップが求められます。

お金や物の管理ができる人

店長となると売上やスタッフの給料、在庫の管理が不可欠です。管理に対してルーズであると、在庫過多による利益の損失や、盗難などの問題も起こりやすくなります。

居酒屋店長の1日の流れ(17時〜24時の営業時間の日の場合)

居酒屋店長のタイムスケジュール

14:00 出勤
14:00〜16:30 納品、仕込み、事務仕事、予約確認
16:30〜16:45 まかない
16:50〜17:00 小ミーティングまたは朝礼
17:00〜24:00 店舗営業(途中30分休憩あり)
24:00 閉店
24:00〜25:00 閉店作業、まかない
25:00 退勤

私がが勤務していた店舗はこのような流れでした。 もちろん日によってやらなければいけないことは変わってきますので、あくまでも一例です。 事務作業や閉店作業を効率良くこなせば早く帰れることもありますが、基本的には11時間程の勤務でした。

業界に対する問題点

居酒屋業界の問題点

この業界の問題点は、人手不足による労働の負担です。居酒屋に関わらず飲食店は一般的にブラックだと言われています。ひと昔はアルバイトとしては人気がありましたが、最近ではアルバイトすらも足りていないという店舗も多く出てきているのが現状です。 以前に比べ、外食産業自体も需要が落ちてきている時代なので、店舗を長く運営する上で今まで以上の工夫やクオリティが求められてきています。

まとめ

まとめの画像

居酒屋の店長は大変そう・・・という印象を受ける方も多くいますが、慣れてしまえば楽しいこともたくさんあります。 「お客様に喜んでいただくこと」、「たくさんのスタッフとの出会いや思い出」、「現場だからこそ得られる経験」など、働いて良かったなと思えることもたくさんあります。 居酒屋に限った話ではないかもしれませんが、私が働くうえで肝だと感じたのは「人間関係」と「やりがい」です。仕事が楽しいと感じるか辛いと感じるかは、これらに大きく左右されます。 この先、就職や転職を考えている方がいたら、ぜひ居酒屋も1つの視野に入れてみてはいかがでしょうか?

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