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【徹底解説】リファラル採用とは?メリットやデメリット、縁故採用との違いは?

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最近、注目が集まっているリファラル採用とはどういった採用手法なのでしょうか?Google検索でも過去5年間で4倍ほど検索数が増加しています。今回の記事ではそんなリファラル採用について徹底解説します。

リファラル採用のGoogleでの検索数の増減の画像

リファラル採用とは?

リファラル(referral)とは英語「推薦や紹介」という意味で、リファラル採用とは自社の社員やアルバイトスタッフに友人や知り合いを”推薦・紹介”してもらう採用手法です。イメージ的には日本でも古くからある縁故採用に似た採用手法になります。

自社を深く知る社員からの紹介になるので、「人材の質が一定以上ある」「ミスマッチが起こりにくい」「離職率が低い」といったメリットがあります。アメリカでは2012年の時点で84%企業が導入しており、採用経路で見ると28%と第1位となっています。ちなみに求人サイトは20.1%で第2位で、アメリカでは求人広告よりリファラル採用が活用されています。その流れからリファラル採用は日本でも広まりつつある採用手法です。

アメリカにおけるリファラル採用の採用比率

アメリカにおけるリファラル採用での採用比率(2012年)

2012 Sources Of Hire. Channels that influence.

リファラル採用と縁故採用との違いは?

縁故採用との違いの画像

リファラル採用も縁故採用もどちらも社員の紹介という意味では同じですが、縁故採用は血縁関係など、紹介者と人材が特別な関係の場合に使われることが多く、”能力や資質を考慮しない””公に公表されない”などネガティブなイメージが定着しています。

リファラル採用では、明確な採用基準を設けたり、通常の中途採用者と同様の採用テストなど、採用に関する枠組みをしっかりと作っているので、縁故採用が持つネガティブなイメージはありません。

リファラル採用が注目されている理由

注目されている理由の画像

ではなぜ、ここにきてリファラル採用が注目されているのでしょうか?
その背景には、深刻な人材不足や、働き方の多様化などが考えられます。労働人口の減少で求人を出してもなかなか応募は集まりません。仮に採用が成功しても、売り手市場の中、好条件の職場が見つかったりするとすぐに転職し、人材が定着しません。働き方改革の影響もあり今後もこういった傾向は続いていくと予想されています。

そういった中、リファラル採用では”信頼できる社員からの紹介”により、一定水準以上の人材をコストをかけず採用できることや紹介された人材と紹介した社員の定着率が大きく増加することもあり、注目を集めています。

リファラル採用のメリット

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リファラル採用のメリット

  • 1.ミスマッチが少ない
  • 2.採用コストがかからない(または少ない)
  • 3.入社後の定着率の向上
  • 4.転職活動をしていない潜在層を獲得出来る

1.ミスマッチが少ない

リファラル採用では深く会社を理解している社員の紹介になるのでミスマッチが起こることはまれです。応募者も紹介者から会社について深く情報のやり取りをしていることが多いです。採用基準を満たしていれば、応募者が辞退することは稀で応募からの採用率は非常に高い数字となっています。

2.採用コスト(費用)がかからない(または少ない)

リファラル採用では、求人を出すわけではないので、基本的に費用やコストはかかりません。現在日本では中途採用で1名人材を確保するのに必要な金額は80~140万円と言われており、求人サイトや人材紹介からではコストがかかってしまいます。一方、リファラル採用ではそういったコストが発生しませんので、採用コストを多きく削減することが可能です。企業によってはターゲットの応募(採用)に至るまでの会食費を支給していたり、紹介者に報奨金を支給している企業も多いです。

3.入社後の定着率の向上

リファラル採用では既存社員の知人や友人を紹介するので、予め会社の事を深く理解して入社します。ですので、入社前と入社後の仕事や職場環境のギャップが発生しません。また、”すぐにやめてしまうと友人に迷惑をかけてしまう”というような心理が働くので定着率は非常に高いです。

4.転職活動をしていない潜在層を獲得出来る

リファラル採用では友人や知人が採用の対象者になります。当然、その対象者は就職活動中とは限らず、他の企業で働いている場合が多いです。その中には転職を考えている人や、まったく転職を考えていない人もいます。リファラル採用では転職を考えていない人にも、より良い条件や仕事環境をアピール出来れば採用することも可能となり、求人広告では絶対採用できないであろ人材の採用も可能です。

リファラル採用のデメリット

リファラル採用のデメリット

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  • 1.採用を間違った場合にやめさせづらい
  • 2.採用までに時間がかかる
  • 3.組織的に活動する場合に社員に負担がかかる

1.採用を間違った場合にやめさせづらい

リファラル採用では社員の大切な友人や知人を採用するので、入社後にスキル不足や能力不足、人間的に問題が判明したばあいでもすぐにやめさせたり、冷遇することは難しいです。もし辞めさせてしまった場合は既存社員の会社不信にも繋がりますので入社前に慎重に選考しなければなりません。

2.採用までに時間がかかる

上記の理由もあり、リファラル採用では選考から入社まではより慎重に行わなければなりません。また、現在転職活動をしていない人材も採用の対象になるので、長期的な目で採用を進めて行く必要があります。

3.組織的に活動する場合に社員に負担がかかる

リファラル採用では今いる社員がリクルーターとなります。「報奨金を出すので良い人がいたら紹介してね」程度の声掛けで社員の自発性のみを期待するなら負担はほとんどありませんが、残念ながらそれで採用まで至るケースは稀です。長期的かつ組織的に活動する場合は社員にも時間と労力を割いてもらうことになります。

リファラル採用の注意点

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  1. 不採用時は慎重に
  2. 配属は慎重に

1.不採用時は慎重に

リファラル採用で不採用になった場合は応募者はもちろんのこと紹介者にも最大限の配慮をしなければなりません。応募者は紹介者の大切な友人です。会社を紹介しておいて不採用になれば”友人に申し訳ない”と思うのが普通です。そんな時に配慮に欠ける言動をしてしまうと、もう紹介したくないという気持ちになったり会社への不信に繋がってしまいます。

2.配属は慎重に

リファラル採用ではこれまで友人や知人だった人が入社します。プライベートの関係からビジネスの関係になり、時には厳しく接しないといけない場面も出てきます。仕事なので割り切れると考える人もいるかもしれまんが、人間そう簡単に割り切れるものではありません。割り切れず馴れ合いが始まると双方に悪影響があるばかりではなく、他の社員にも悪影響が広がるおそれがあります。入社後は部署を変えるなど、配属は慎重に考えなければなりません。

リファラル採用を成功させるコツは

リファラル採用は”社員に紹介してもらう”だけですが、そう簡単にはいきません。「報奨金を出すので紹介してください」と社内に通達するだけなら簡単ですが、それだけはたいていの場合失敗します。仮にそれだけで採用することが出来ても、継続して採用を重ねていくのは、不可能です。また報奨金は出せば良い分けではありません。報奨金が高くなればなるほど”友人を売る(又は売られた)”という心理が働き、逆効果になります。また、報奨金狙いで質の悪い人を紹介することも考えられます。

リファラル採用には多くのメリットがありますが、上記で説明したデメリットも多く含みます。リファラル採用を成功させるにはデメリットやリスクを最小限に抑える為、事前に入念に計画を立て、中長期的な視線で採用活動を進めて行く必要があります。

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