採点バイトとは
採点バイトとは、ベネッセなどが作成、提供している高校模試の採点を行うバイトです。
年に春夏秋冬の4回開催され、デスクワークで簡単だと大学生に人気のあるバイトになっています。
日本各地に点在する採点会場での業務と在宅業務の二通りの働き方が存在しますが、ここでは会場での採点について解説していきます。
求人情報、面接について
大学生に関しては、新入生が入学してくる4月ごろ、大学付近で求人チラシを配っていることが多いです。
また、すでに採点バイトに参加している人には友人紹介用のリンクが発行されるので、バイト経験者に相談することでも面接に参加することができます。
面接内容は簡単な質疑応答と判断力を図るテスト、希望する科目の理解度を試す簡易試験が主な内容です。
簡易試験は高校で習った基本的な内容が多く、それほど難しい内容ではありませんでした。
面接に合格した後は、事前説明会と研修会に参加し、採点方法の確認と採点する問題の詳細を理解したのち、本格的に出勤していく流れになっています。
人気の採点バイトの仕事内容とは?
採点方法は、担当する科目によって詳細は異なりますが、コンピューターでもできるマーク式の部分ではなく、実際に筆記された文章問題や書き取り、計算問題などをPCで採点していくことになります。
高校生一人の書いた解答をすべて採点するのではなく、一つの問題に対する複数人の解答を流れ作業で確認、採点していくスタイルです。研修会では、この一つの担当問題の採点基準について詳細に指導されます。
採点作業について
採点作業には専用のソフトをダウンロードしたPCを使います。
画面に現れる学生の回答の正誤を判断し、評価を入力していきます。
マウスを使っての入力も可能なのですが、作業の効率化のためにキーボードに設定されたショートカットを利用することを推奨されます。
最初はショートカットの操作に慣れないと思いますが、使いこなせるようになれば格段に採点しやすくなるので、これから採点バイトを始めるという方には最初からショートカットを利用して採点することをおすすめします。
採点が進んでいくと、それまでの作業スピードや採点の正確さなどが評価されるようになり、平均値を下回るようになると画面の色が変化して警告されてしまいます。
それによって時給が下がってしまうという事はないのですが、周りからの評価もあまりよくないので、積極的に採点スキルを上げるようにしましょう。
採点基準は研修会にて教えられますが、実際に高校生の回答を採点していく中で、正誤判断の具体例や判断基準についての情報が順次更新されていきます。
情報はノートにまとめられたり、ホワイトボードにメモされたりとまちまちです。
間違った採点基準で作業を進めると、後で膨大な修正作業をすることになるので、情報を毎回確認し、少しでも分からない点があればリーダーに確認を取るよう徹底しましょう。
採点バイトの注意事項
守秘義務がある
これは研修時にも念を入れて指導されるのですが、守秘義務を課せられるので採点内容に関する情報を外部に持ち出すことはご法度です。
採点内容というのは、採点した問題の採点基準や正答例は勿論、自分が採点した高校の正答率や、多くの人が間違えていたポイントなども含まれます。
面白い間違え方や珍回答を発見すると、うっかり友人たちに話してみたくなったりするのですがそれもNG。
最悪の場合賠償問題にまで発展するので、採点内容については絶対に漏出させないように心がけてください。
持ち込み、持ち出しは厳禁
また、情報の持ち出しを防ぐために、スマホやノートPCといった電子機器や紙類、本などの持ち出し、持ち込みは禁止されています。
会場にそれらを持ち込む際は、業務開始前にロッカーに保管するようになっており、その際電子機器は電源を切っておくことが義務づけられています。
業務中にロッカー内のスマホが鳴ってリーダーに叱られる、なんてことがたびたび起こるので注意が必要です。
服装、持ち物について
接客業ではない関係上、服装に関する規定はありません。
採点に支障が出ない限り、髪の染色やピアスがあってもバイトに参加できます。
バイトに関する持ち物としては、会場に入る際に必要になる名札と、実働時間を計測するためのスマートフォンが必須になっています。
そのほかに個人の判断として、ドライアイ対策の目薬や睡魔対策のタブレット菓子、飲み物の持ち込みが可能です。
それ以外の食品は持ち込み禁止なので、昼食は会場の外で食べることになります。
持ち込み不可のものはすべてロッカーにしまい、必要なものは備付のビニール袋にしまった状態で会場に持ち込みます。
時給は低い、シフトは割と自由
シフトに関してはとても自由度が高いです。
バイトの募集時に自己申告した時間数以上であれば、前日までシフトの入れ替えをすることが可能です。
シフトを入れていない時間帯でも作業可能なので、偶然時間ができた際、ふらっとバイトをするなんてことも可能になっています。
時給に関しては他のバイトに比べると少し低い場合が多く、自分の住む地域では規定の最低賃金+20円ほどでした。
二回目以降になると少し時給が上がるほか、担当する大問の採点状況を把握、管理するリーダーやサブリーダーなどの役職に就けばさらに高い時給になります。
しかし、リーダー、サブリーダーは予定通りに採点が進んでいない際、穴埋めのためにフルシフトで入ることもあるような大変な仕事なので、実際になるかどうかはよく考えて決めましょう。
仕事の流れ(国語の場合)
今回は、私が実際に採点バイトをしていた際の仕事の流れをご紹介します。
細かいシステムは運営会社や会場ごとに異なるので、あくまで参考程度にお考え下さい。
出勤
とあるオフィスビルの一階層が私の参加したバイトの採点会場でした。名札をスキャンして中に入り、スマホに表示されるQRコードをかざして実働時間の計測を開始。
必要なものだけを袋に入れたら空いているPCに向かいます。
電源がつくまでの間に採点基準の更新がメモされるノートを確認。
国語を担当する場合、文章のニュアンスや曖昧な表現に対する正誤判断がかなりややこしいので、新しい情報がないか確認するのは必須作業です。
採点
採点する問題は、研修会で教わる文章題の他にも、簡単な漢字の書き取りや単語の抜出問題などもあり、その日にどれを担当するかはリーダーの判断で決定します。
休憩
勤務時間中は、学校と同じように1時間ごとの10分休憩と昼休みがあります。
この時間に会場外でスマホをいじる人もいますが、私は目が疲れやすいので、目薬を差し、睡魔対策のコーヒーを飲んだ後デスクで伏せて過ごします。
退勤
出勤時とは逆の手順で退勤します。
スマホで退勤時刻をチェックするのを忘れがちなので注意が必要です。
絶対にシフト通りの時間に帰らなくてはいけないという事はないので、調子のいいから会場が閉まるまで残ることもあれば、眼精疲労が限界に達したので早退することもあります。
一日を通して人の入れ替わりが激しく、一人だけ早退して場の雰囲気が悪くなる、なんてこともない気軽な職場です。
採点バイトの良いところ
服装規定がない
髪色、髪型等に規制がなく、働きながら自由なファッションが楽しめます。
制服が存在しないので、バイト前にいちいち着替えたり、制服を洗濯する必要がないのも大きなメリットです。
労働環境がいい
季節を問わず、エアコンが効いた快適なオフィスでバイトをすることができます。
ただあまりにも心地よいために、暖房のかかる冬場などは睡魔との闘いになりがちです。
自由にシフトが組める
学校の課題や試験勉強に合わせて自由にシフトを変更でき、他の単発、短期バイトとの組み合わせも容易です。
得意科目を生かせる
大学受験時に学んだ学問をそのまま生かすことができ、過去に習った内容の復習にもなる点は、他のバイトにはないメリットだと言えるでしょう。
採点バイトのつらいところ
目が疲れる
PCを使ったバイトの宿命なのですが、長い間働いているとどうしても眼精疲労がたまります。
私は初めて出勤した週にシフトを入れまくった結果、酷い頭痛になりバイトどころか課題も手につかない状態になってしまいました。
目の疲れやすさは人によって個人差がありますが、私の場合は目薬や目の周りの筋肉をほぐすマッサージなどを行うことで乗り切っています。
時給が低い・期間が短い
飲食業や塾講師などと違い、負担が少ない分時給は少なめです。
また、高校模試が行われるタイミングに合わせて開催される都合、決まった額を毎月稼ぐことはできません。
人間関係が希薄
出勤時間も帰る時間もバラバラな上、勤務中私語が禁止されているので、バイト仲間と友達になるといったことはほとんどありません。
そういった「出会い」をバイトに求めている場合、この採点バイトは向いていないかもしれません。
例外として、バイトリーダーやサブリーダーは仲良くなりがちです。
リーダー間での相談、談笑も多く、忙しいときは毎日フルシフトで顔を合わせるので、期間終了後、同じ死地を切り抜けた戦友として仲良くなることが多いようです。
採点バイトはこんな人におすすめ!
短期ながらもシフト、服装規定ともに自由度の高い採点バイトは、学業やサークルで忙しく、まとまったシフトでバイトに入れない学生におすすめのバイトです。
その他にも、自由なファッションを楽しみたい方や、人とのかかわりあいが苦手な人にもおすすめのバイトだと言えるでしょう。